
こんにちは、ブラジルから日本へ帰国した3人の子どもを育て中です。
「帰国子女って得でしょ?」「英語ペラペラなんでしょ?」——そんな風に思われがちな子どもたち。
学校では、「ブラジルの言葉なんかしゃべってよ!」ってよく言われていたみたいです。
実際に私たち家族が経験したのは、“壁”と“ギャップ”の連続でした。
この記事では、リアルな体験談をもとに、帰国子女が直面する教育・文化の課題と、その乗り越え方をまとめています。
「帰国子女=優秀」って本当? イメージの落とし穴
まずよくある誤解が、「帰国子女=英語ペラペラで成績優秀」というイメージ。
なんとなくかっこいいイメージありますよね。
でも実際には…
- 日本語の読み書きが遅れている
- 漢字テストや作文で苦戦
- 空気を読む文化に戸惑う
「海外で育ってるんだから当然できるでしょ」と期待されることで、プレッシャーを感じる子も多いんです。
我が家がぶつかった5つの壁

1. 日本の授業スタイルに戸惑う
海外では「自分の意見を言う」が当たり前。
教室はるさくなっちゃうけどね。
でも日本では「先生の話を黙って聞く」ことが求められ、最初は混乱。
2. 空気を読む文化に適応できない
「察する」「言わなくてもわかるでしょ」という日本的なやりとりに、子どもはストレスを感じていました。
3. 言語の切り替えが追いつかない 読み書きが弱い
生活言語は日本語になっても、学習言語はポルトガル語のまま。
言語ごとに得意・不得意が混在し、作文や読解に苦手意識を持つように。
最初は、漢字がほとんどできず泣いていました。
4. みんなと同じが正解な雰囲気
個性を出すことが尊重されていた海外と違い、日本では「空気を壊さないこと」が優先される場面も…。
それが苦しかったようです。
友達の名前を「さん」付けで呼ぶことになれませんでした。
5. 先生とのコミュニケーションギャップ
担任の先生に気持ちをうまく伝えられず、誤解を生むこともありました。
保護者としても何度も学校と話し合いをしました。
電話もよくしました。
帰国子女にありがちな悩みとは?

私の周囲でもよく聞く悩みをまとめると、次のような声があります。
- 「漢字が書けない」
- 「作文になると語彙が出てこない」
- 「友達との距離感がつかめない」
- 「言いたいことが日本語でうまく出てこない」
これは本人のせいではなく、言語環境が急に変わったからこそ起こる“当たり前の反応”なんですよね。
それでも「海外経験」はかけがえのない武器になる
帰国直後は戸惑いの連続でしたが、それでも私は「海外での体験は財産だった」と胸を張って言えます。
なぜなら…
- 自分の意見をしっかり持てる
- 多様な文化を尊重できる
- “違い”を受け入れる力がある
日本では“浮いて”しまうことも、グローバル社会では強みになると実感しています。
特別学級にいっている子がいても、普通の友達として接しています。
障害をもっている方にも、避けることなく普通に接しています。
これは、ブラジルの学校でそういった場面が多くみられたからだと思います。
帰国後の教育、どうする?我が家の選択肢
我が家が検討したのは次の2つ:
- 日本の公立校に通わせる(当然ですけど・・)
- 家庭で補習とフォローを徹底する
最終的には「日本の学校+家庭で日本語補強」のスタイルを選びました。
ここで役に立ったのが漢字の練習帳です。
書店にうっている1年生の漢字やドリルなどを買って、やっていました。
子どもを支えるために親ができること

- 「なぜできないの?」ではなく「環境が違ったもんね」と共感する
- 言語面・精神面のサポートにじっくり寄り添う
- 必要に応じて専門機関(カウンセラー・教育相談)を利用する
子どものメンタルが安定すれば、環境にはゆっくりでも適応していけるはずです。
まとめ|得かどうかは親の関わり方で変わる
帰国子女は決して「得」ばかりではありません。
悪い言い方をしてしまえば、中途半端なのかもしれません。
でもその経験は、必ず人生のどこかで生きてくる強みになります。
親としてできることは、「我が子の文化的背景を理解し、見守ること」。
この記事が、同じように帰国後に悩んでいる親御さんの参考になれば嬉しいです。
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